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mDia2は哺乳類の細胞質分裂において、アクチン繊維の足場を作ることで収縮管の形成と安定化をつかさどる!

 細胞分裂において、細胞質分裂は染色体分離後の姉妹染色体を正しく二つの娘細胞に継承するための重要なステップであり、その失敗は染色体数異数化・中心体増加など発癌につながりうる異常を生み出すため、厳密に制御されなければならない。
多くの生物種で、細胞分裂はアクチン・ミオシンからなる収縮管によって遂行されることが分かっているが、哺乳類細胞において、どのような分子が収縮管構成に必要となるアクチンを集積させ、収縮管を制御しているのかは明らかではなかった。

今回、大学院生の渡邉定則らは、各種培養細胞でmDia1,2,3の三つのisoformの各々をRNAiにより枯渇させることにより、その細胞質分裂への関与と作用を解析した。
その結果、mDia2のRNAiが選択的に細胞質分裂を阻害し,またこの阻害がRNAi耐性のmDia2の発現で抑制されることを明らかにした。

また、渡邉らは、mDia2の分裂期における局在を検討し、mDia2が分裂期後期より分裂溝に局在し、細胞質分裂終期には娘細胞間橋に蓄積することを見出した。

ついで、渡邉らは、mDia2枯渇細胞の異常な細胞質分裂における機能についても解析をし、@mDia2 RNAiにより分裂細胞の中央部以外の異常部位での収縮を誘発すること、Aこの異常収縮箇所には、分裂溝構成成分が集積すること、B分裂mDia2 RNAi 細胞のMyosin II依存性収縮を薬剤により抑制させると、中央部皮質でのF-actin の輝度の低下がおこるが、一方で、その他の分裂溝構成成分は中央部表層に集積することを明らかにした。

以上のことからmDia2が分裂溝に集積しアクチン繊維の産生を行うことで、分裂溝構成蛋白質群、またはこれらの分子複合体が分裂溝に維持され、正常な細胞質分裂が遂行されることが示唆された。

mDia2

図1.mDia2の分裂期の局在



■control 細胞          Movie1(10Mbyte Quicktime Movie)

Movie1

■mDia1 枯渇細胞        Movie2(11Mbyte Quicktime Movie)

Movie2

GFP-Myosin軽鎖を用いて細胞分裂を観察したところ。control細胞(Movie 1)ではMyosinが安定に分裂溝に局在しているにもかかわらず、mDia2 枯渇細胞(Movie 2)では、分裂細胞の細胞皮質上でMyosinが散乱し、中央部以外の異常部位での収縮がおこっていることが分かる。

( Watanabe, S. et al., Mol Biol Cell. 2008 in press)